2016/06/25

海外に事業進出してた楽天、事業の見直し撤退も視野に
6月8日には欧州のECモール事業で抜本的な見直し策を発表した。英国とスペインからは撤退。オーストリアは拠点を閉鎖してドイツにサービス提供機能を統合、今後はフランスとドイツに経営資源を集中させる。8月末までにサイト閉鎖を終え、欧州全体で従業員100人前後を削減する予定だ。
すでにアジアでは見直しを進めている。インドネシアとマレーシア、シンガポールでは、3月にECモールを閉鎖。タイではECモール事業会社を4月に売却した。三木谷浩史会長兼社長は2月の決算会見で、「東南アジアはまだECの市場規模が小さいため、事業モデルの修正を実施していく」と説明している。
アジアに続いて、欧州でも大ナタを振るったことで、10カ国・地域以上に進出したECモール事業の海外拠点は、台湾や米国と合わせて、5カ国・地域まで縮小。海外は、これまでの先行投資を伴う拡大路線から一転、米EC支援子会社のイーベイツなどを軸に、着実に収益貢献できる体質への変換を急ぐことが鮮明になった。
引用元 東洋経済
楽天事業スペインからも3年で撤退
2011年にスペインに進出したAmazonの顧客獲得数は1460万人(スペインの人口は4600万人)。それに対して楽天の知名度は消費人口のわずか6%。
多額のCM広告費用を投入するが掛かるコストに比べて成長性が見込めないがゆえのスペインEコマース事業からの撤退である。
社内英語公用化も効果薄か?
楽天の三木谷浩史社長は2010年春に社内での会話に英語の公用化を採用、その後2012年7月に完全実施へ。その頃と同時に海外に進出した訳だが3年程度で事業の見直し、立て直しを迫られている。
この早期の見切り判断が良いのか悪いのか?経営判断を下すのは楽天の経営陣であり三木谷社長自身なので、周りがとやかく言う筋合いはないが、果たして英語の公用化がどれほど効果があるのか見極めるにはまだまだ時間が必要そうです。
日本国内での楽天経済圏の強化
楽天は今後、海外の事業は欧州のフランスとドイツに経営資源を集中し日本国内では各種サービスを割引で使える新クレジットカードの発行を検討している。
ポイントサイト事業やその他の楽天グループのサービス強化に努め、2020年度に売上高1兆7000億円、非経常的な利益・損失を除いた営業利益3000億円と、2015年度比で2倍以上に引き上げる中期経営計画を公表しています。
目先クレジットカードの「楽天カード」の会員数は1200万人と他のクレジットカードを大きく引き離した発行枚数を維持しているものの
2015年に新しく誕生したYahoo!JAPANカード(会員数221万人)や、それと連携したYahoo!ショッピング、Tポイント事業が脅威である。
国内のオンラインショッピング市場ではAmazon1位、楽天2位の3位以下のYahoo!を引き離して君臨しているが、その状況が今後どうなるか誰にも分からない。
攻めの姿勢で楽天は『MVNO楽天モバイル』による携帯事業への新規参入、もしかしたら電力事業への進出の可能性もあるかもしれない。来期に創業20周年を迎える楽天の三木谷氏は、更なる成長を遂げソフトバンクの孫正義氏を越える事業家として大成できるのか?
企業や会社というのは常に成長・拡大を続けなければならないので、経営者とは常々因果で大変な人種だなと思ってまう。